2009年7月1日水曜日

デボラのピアノ ーDeborah's pianoー


4月、サンジェルマン デ プレ界隈に住む知人のパーティーで歌った後
すぐ一人の女性が来て「明日、もしあなたが良かったら私のギャラリーでも歌って欲しい」と言った。
それがデボラだった。

その翌日から私は....9年間パリにいて...これでもかと言うくらい....
人々に出逢った。
デボラは「ミオ、ギャラリーにいつでも来てピアノを弾いてくれて構わないわ」と言った。

でも私は....ひと付き合いが苦手で内気なので心を開くまでにとても時間がかかる。
けれど....何故か4月末から....私は一人で、もしくは友人とデボラのギャラリーで開催される
イヴェントに行き弾き語りで参加したり、遊びに行っていた。
何故か....その方角へ地に足が向くのだ。

こんなこと....いままであっただろうか。

いつも、家にいた。
友人に逢うのも2,3ヶ月に1度で何年か前からは夜も殆ど出歩かなくなっていた。

何故だろう....「デボラのピアノ」を弾いた日
いつも心が温かくなる、素晴らしい出逢いがある....不思議な感覚を覚えていた。

....出逢って、そして仲良くなって....皆、何週間後かに旅だってしまうのだけど
....アンナ、ルナ、アドリアン、フランソワ、オーレイ、ジル、ソレル、マキシミリアーノ、
ブリューノ、ユキコ、マルタン、ラモーン、パトリック、マチアス、アリエル、マリンヌ、
ドゥミトリー、シンさん、ダイちゃん.....

多くの笑顔がわたしのまぶたの上に浮かんでは....消えて....

あれから2ヶ月....今までの1年分くらいの出逢いをしているような気持ちになった。

皆に見えなくなるまで笑顔で手を振って、また逢える、逢いたいと思う人しかいない。

最後まで手を振っても....本当はその人が天国に行ってしまうとも知らずに
それでも、お互い手を振り続けた
......そんな日をも少し思い出した....

でも、いつの日かまた見えない空間の中で逢えると私は信じている。


先日、お洋服の展示会をしていたシンさんとダイちゃんに逢いに
デボラのギャラリーへ行った時

私は帰る前....ずっとピアノの鍵盤を見ていた。

デボラのピアノ、デボラの心....想いが天使の羽のように浮遊する場所、
また....私はおおくの素敵な人々に出逢ってゆくのだな.....、これからも。



飛ばない翼は、飛べるように小さく今は背中でひっそりと....その日を待っているのかな....。