2009年7月28日火曜日

寂しさと青空


今日、日本人街があるオペラ付近を歩いていた
喉が渇いたので
.....フと足が向いたcafeがあった

小さな路地にある....昔からのcafe

ここに来るのは1年ぶりかな....
外の椅子に腰掛けて、ある....大切だった友人のことを思い出していた

彼女は....パリ生まれのパリ育ち、生粋のパリジェンヌ
.....顔立ちは美しい中東のアラブ女性

よく彼女とここに来ていた....

何年か前にパリで小さなライブをした
そこに.....静かに....彼女がいた

私が「ジプシーの名も無い歌」を歌い終わった時、彼女が来て
.....この原曲は....イスラエルの古い歌ですよ.....と教えてくれた

それから彼女と仲良くなり、一緒にお茶をしたり仕事帰りにビールを飲んだり
人生や神様について語ったりした
歳も1つ上で同年代だったので話が弾んだ

そこが、このcafeだった

飲みながら彼女が私に話してくれた....あまりに悲しい過去の告白は
私の心をえぐっては寄せる波のようだった

国籍はフランス人でも肌の色で日々差別をされること
10代で路上生活をしていた時
両親が交通事故で無くなり....堕ちてゆくしか出来なかった日のこと
天涯孤独になったこと
でも.....素敵な恋人に巡り逢えたこと...

それから....彼女は....私の小さなライブにいつも来てくれた
ちょっぴり寂しい目をした女性(ひと)だった

彼女と共通の友人も出来、私は彼女と居れる事が嬉しかった
西洋と東洋の美しさと叡智を持ち合わせた人だった

でも、ある日突然....彼女は友達にも私にも行方を知らせずに....
いなくなってしまった


今日、彼女と2人で来ていたcafeで思い出していた

「この歌はイスラエルの古い歌ですよ...」って声をかけてくれた彼女

どこにいるんだろう

この空に通じる夏の日のどこかに元気でいて欲しい


雪の日.....「ミオに似合うだろうと思って...」とセーターをプレゼントしてくれた
ずっとずっと大切に着ていく

ありがとう.......

いつかまた、あなたに逢いたい....