2009年4月30日木曜日

楽しいゆめ


子供用の絵本を読んでみたり
どこか
懐かしい野原や森を走り回る
大人の私が夢の中にいました

庭にあった細い木が切り倒されて
その切り口から緑の芽が
すくすく育っています

毎日
玄関の窓からその子たちを見るのが
私のささやかな楽しみです

その子たちのお母さん木にはお世話になりました
疲れた時
泣いた時
笑った時
いつも....その木に寄りかけさせてもらったからです

例え
木でも壁でも
寄りかかるものがあるのは
きっと
きっと

幸せなことです


リラの花が咲く頃


日本から帰って来たら
雨の中でボルビアからやってきた少女から買った
一房のリラの花が枯れていた

そっと片付けて
残香だけが部屋に漂う

エネルスト ショーソンの歌曲
中央揃えリラの花が咲く頃
悲しい歌
よく歌っていたことを思い出す

5月になったら
スズランを道ばたに売っている人が増えるから
買いにいこう
白くて小さな毒の花

私の心が
道ばたで安く買える



2009年4月29日水曜日

孤高




拳を握り過ぎちゃって
手が
やぶけてしまったら
それはそれで善しとしよう

針金で
丁寧に縫い直して
そっと
優しく笑って


右目は赤
左目は青

昔に
そんな私の肖像画を描いてくれた人がいた

教会オルガン弾き
引き受けようか迷っている
天使の笑みで

真実は
トカゲの目



2009年4月28日火曜日

遠く



飛行機に乗ることは慣れている

でも何度乗っても慣れないことがある

去ること
別れること
離れること
目の前にあった光景がなくなること

けれど
私は
その日も飛行機に乗った


海から虹がいってらっしゃいと手を振っていた


2009年4月18日土曜日

いい男


この男、いい男。
.....そう、私のシャンソンの師匠。

今日の午後、来週日本でライブをすることを報告へ行った。
お土産にショコラとヒヨコの小さなぬいぐるみを持っていったら喜んでくれた。

窓際に飾られてある写真。
40年前の歌番組に出演している時のもの。

4年前に煙草をやめて15キロ太ったらしいが
今も女性にモテるようだ。

昔、お腹を拳で殴られたことがある。
驚いて私はヨロッとなってしまった。

怒って殴ったのじゃない。
私の腹筋が使われていないことを....悟って。
本当に腹筋を鍛えている人は、ヨロッといかない。

お腹が空いていそうな私の顔を見て....リンゴをいつもポイッと渡してくれた。

厳しくて暖かい人。


日本のコンクールでいつも村八分だった時
あまりに悔しくてホテルのロビーから泣いて電話したことがあった。
「オマエが1位を取れないコンクールっていうのは、どういうコンクールなんだろうね
いいのさ、オマエはオマエの歌をやっていけばいいよ。」
と皮肉もタップリに励ましてくれた。


師匠は....
ネコと静かに今は暮らしている。
でも、舞台に上がると
長い手を広げて、鷲のように、柔らかくも地響きがする、骨が震える声。
これからも、愛し続けていくんだろうな.....
この声を。



2009年4月15日水曜日

好きなもの




小さい時から....この子を見ると嬉しくなってパタパタしていました
最近、マドリッドでも....思わずパーカーを購入....
小鳥を飼いたいけれどネコがいるから難しいな
いつか肩に小鳥を乗せて歩くことが
私の夢です



乳房に宿る



最近「刺青」やら「忘却」やら
そんな弾き語りの曲を作曲しておりますが
来週の本番に間に合うのか....間に合うだろう...と想定してピアノに向かいます。

どちらも弾き語りと言うよりは
オーケストラ....オーケストレーションを兼ねて作っているので
厚みがあって一人オーケストラピアニストのよふです。
教会旋法(パイプオルガンが締めを決めるファイナルと、
1度と完全5度で下落(上昇)してゆく美しいコード進行)が
今回のメインなので下手に弾けない....。
今までにもそういう曲がありましたが.....歳を重ねる度に酷く激しくなっていくのは
何故でしょう。
普通、落ち着いていくものでしょうに。

朝は人生に這いつくばる青カビのように...午後は煌めく赤カビのように生きています。

最近、日本の大切な友人と久々に電話をしました。
何故、歌うのか
.....色々悶々と考えましたが、歌いたいから歌うのだと言う結論....夜中に。

シンプルなことほど、難しかったりします。

私の小さな乳房の間に宿るは、命の讃歌....
と歌えども
身を削っての作曲、酸化に近いでしょう。
音で想いと感謝を、この世から消える前に少しずつ返して行きたいですね


お酒を飲まないと歌えない曲の練習もするので白ワインを少し...
やはり...「冬枯れ」と「花棺」は辛いですね。
でも、どちらも美しい曲だから辛いのだと思います。

あと生きている間に、どんな曲を産むことが出来るか
私の生き方次第、感受次第なのでしょうね....。


お花を摘んで、お皿に乗せてみました。
素敵な光景でした。

お皿の上に小さな幸福がありました....。



俺様鳩様日記


先日、友人のマリーエレーヌとセーヴル バビロンの...とある公園で
暖かいので皆が寝転がっていました。
このハトも自分は同じ人間だと思い、暖かな土の上で眠っていました。
近寄ると目を覚まして威嚇されました。

気持ちよいのだろうが
....誰が歩いても、走っても魚籠とも動かない。

私もそんな人間になりたい....とため息と尊敬。

ちなみにマリーエレーヌはこのハトを見てずっと笑いっぱなしでした^^。。

2009年4月10日金曜日

景時




お昼前に
フランス人の友人とお茶をしました
質素なお部屋....太陽の光糸

チムチムチェリーみないな煙突の上で
太ったハトくんがモソモソひとりで動いていて可愛かった
気持ち良さそう.....人間界は小さく見えるのだろうな

美術館へ行かずとも
その日の夕暮れや、心に映った光景は
素敵な自分の心的美術館作品として残ってゆくね

「私の心を、雪よりも白くして下さい」
ずっとずっと
祈り続けてゆくのだろうな

この言葉を.....止めどなく繰り返すのです
いつも





2009年4月8日水曜日

夜の訪問者


玄関に蝋燭を灯します

私とネコしか出入りしませんが

夜の訪問者のために.....


「闇の想い」が

ベルを鳴らします



闇のお天道さま







 月光浴 PM10:50


風を読む時



もう心に痛み止めを打つのはやめようかと思います

あと2%で満月の月は
今日
私が
手放した
思いと
昨日まであった
過信したかった何かを
知っていて

薄れてゆく感情の影を
優しく撫でてくれた
............

人に知られずに咲く
山崖のエーデルワイスのような
夜でした




2009年4月2日木曜日

夜のうた





夜になるとやって来る

優しい街灯のパパ

影のママ

お月様のお兄ちゃま



2009年4月1日水曜日


生い立ちも家族のことも
恋のことも
全部
音にしているから
多くのことは言葉で語る必要は無い

なんて洒落たことを言ってみたりしてね

歌をうたっていると
色々なことを聞かれるけれど
やっぱり
「ぽぽぽ」って静かにいる方が好きです



最近.....沢山のたんぽぽに出逢いました
そのたんぽぽたちは
私が生まれる時から何十年後かに出逢うだろう
決まっていた....
道ばたのたんぽぽの子たちだったんだろうって思います

そうしたら心が温かくなりました

雑草と一緒に揺れている小さなお花が好きです

時間があったら頭に飾ってみたいな....って思います