2010年12月2日木曜日

Serge khachatryan


ピアノの生徒さんのレッスンを終わらせた後、凍った道を震えながら歩いていた
丁度シャンゼリゼ劇場の前を通り過ぎようとしていた
フと目に入ったのがセルジュ ハチャトゥーリアン(アルメニア)の演奏会

私はと言えば一昨日久々にスリに遭いお財布が無い生活をしているのだが
一番安い5ユーロの席を当日券で購入した
この席はオケはほぼ見えないが音楽は聴ける(それだけでいいと思った)

オケはOrchestre nationl de France
プログラムはプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲
その他ショスタコーヴィッチ交響曲第10番....全て私好みのプログラムだ

彼の演奏はとても好きだ
あまりに繊細なのだが時々狂気に近い鋭さ、この世とどこかの狭間の瞬間を聴く時がある
そして演奏がスマートなのだ(私は身体をグネグネ動かして弾く音楽家は苦手)

ショスタコーヴィッチ、ハチャトゥーリアン、シベリウス、フランク、ブラームス、バッハと
レパートリーは幅広いが....特に前者の東欧ロシア系に関しては、やはり聴きごたえがある


何週間か前に今世界中で賞賛されている若いアメリカ人女性ヴェイオリニストの
演奏会にも足を運んだ
あの大きなシャンゼリゼ劇場がコンプレ(完売)で凄い人だった
やはり題目は私の好きなショスタコーヴィッチのヴァイオリン協奏曲第1番
全く心が動かされない....彼女の音に自分の血の流れが共鳴しないのだ
4年くらい前にyoutubeで彼女の演奏を聴いた
しかしこの時も何故か感動しないのだ...

この演奏会で彼女の演奏に聴き惚れない自分がいたことを最終的に実感出来た

まぁ、人それぞれの好みは違うのでこれは私の感受的な見解の感想である

話は戻るがハチャトゥーリアンは作曲家のハチャトゥーリアンの家族ではない
アルメニアにはこの苗字が多いのだろう

彼は今、世界中をストラディヴァリと演奏で廻っている
またいつか彼の演奏が聴きたいと心から願い、感動で雪道の寒さも忘れてしまうのだった

彼は非常に謙虚な演奏家だと感じる
自分が主役にも関わらず非常に控え目でオケの人々への感謝の行為と
深々と信じがたいほど静かに優しくお辞儀をするのだ
(多く演奏会に足を運んでも、滅多に見られない光景であったから)

演奏以外の一瞬の人間的な面がヒシヒシと感じて来た

本当に久々に血流が清く流れ出した演奏会であった


そしてパリは素晴らしい! 5ユーロ(約600円)でプロの素晴らしいオケが聴けるのだから!
ブラヴォ


追伸 やはりショスタコーヴィッチは素晴らしい
心から共感し敬す
私に問いかけけくれる彼の全音楽作品であると言っても過言ではないといつも思う