2010年9月3日金曜日

ルノワールの庭で






誰もいない
ルノワールの庭で寝そべっていた
ユーカリとオリーブの木と名前の知らない花の中で
ルノワールと彼の若くして亡くなった妻アリーヌを思っていた

ルノワールの家の中に飾られている
そこから見える森の向こうにある海を描いた作品

その先には今
高層ビルの向こうにある海が見えた

たった100年近く

色から声がするので時々私は立ち止まる

木陰で寝転んでいると.....渇いた暑い風が吹く中
大きなユーカリの木を小さなカタツムリが登っていた

「ねぇねぇ、君、どこまで上がるの?」

「....」

きっと彼は登りたいから登り、上がりたい所まで上がるのだろう

我ら人間よりも強いではないか

「頑張れ...」

そういって木陰の歌を口笛するのだ

旅の友
風、虫、チョウチョ、カタツムリ、犬、猫、カーテン、星、精霊 色々