2009年12月8日火曜日

冬雨とイスラエル


夜、新しい生徒さんのピアノレッスン
と言っても彼女は友人なのだけど

レッスン後にシナゴーグ(ユダヤ教会)で歌う曲の音取りを手伝って欲しいと言われ
彼女が歌い、自分が適当に即興でピアノ伴奏

何て、美しいのだろう....イスラエルの賛美歌
思わず彼女と一緒に歌ってしまう

きっと、今後の私のライブはイスラエルの歌が加わること....間違え無しです...
既にyoutubeに上げている
「ジプシーの名も無い歌」、これもイスラエルの歌だけど


今年の初め、生徒だった彼女から電話があった
泣きながら火事で家の物がみんな焼けてしまった、と
私も一緒に涙ぐんでしまった
....彼女が愛している音楽...ピアノも焼けてしまったのだから....

それから約1年

世界を飛び回って仕事を成功している彼女は
素晴らしい豪邸を美しく再建築した

....白亜の彼女一人では広過ぎるシックなアパルトマン

でも、その中にポツっと...彼女が大切にしていたピアノ
焼けただれたピアノ

彼女は新しい最高のグランドピアノを購入することも可能だった筈だった
でも、自分が愛用していたピアノを...捨てなかった

どんなに豪華な家でも
彼女の心のピアノは、そこにある

呼吸を正して、ピアノに向かう彼女は美しい
素敵な音がする
それは彼女の心そのものの様に


パリは寒く毎日...雨

雨音の中、彼女と一緒にイスラエルの賛美歌を歌う
「エーリ、エーリ...」

素敵な夜だった