2009年12月5日土曜日

ナイトメア



ミラボー橋の上を歩く

この橋を渡るのはNちゃんのアパルトマンに行ったきりだ
実に6年ぶりに渡る
Nちゃんと偶然に同じチョウチョの指輪を持っていた
でも、私はいつか無くしてしまった

繊細で生き急ぎ過ぎたNちゃんは精神を害して母国へ帰っていった
最後に逢うことはなかったけれど
友人が彼女から手紙とプレゼントを預かっていると言われもらった

そこには...「ミオさんのチョウチョ、見つかったよ」と書いていた
私が指輪を無くしたことを彼女は知っていて
フランスを去る前に自分の大切にしていた指輪を私に置いていってくれた

彼女、今....何をしているのかな...とミラボー橋で思った

それから沢山の夢魔は襲えども、今日迄パリに生き残っている私は
まだもう少し
繭の中にいる