2015年11月14日土曜日

弾語りで松尾芭蕉を詠んだコンサート(解説付き)とお願い































昨夜のコンサートを無事に終焉することが出来ました

肌寒い中、足を運んで下さいました皆様

いつも陰ながら支えて下さり応援して下さる皆様

心より感謝を申し上げます。


コンサートの中でパリでの思い出
シャンソンについて
生き方についてお話する機会もあり

想いを多く馳せながらの時間となりました

しかしながら

今回の無差別テロに於いて心を痛め
少しでも早く多くの方々の心や身体の傷が癒やされることを
強く祈り続けています

瞬時瞬時により良き方向と森閑を想わずいられません









































今回のコンサートでは「松尾芭蕉」を
新曲「北の血に」の中に編み込み

歌う前に松尾芭蕉と曽良が詠んだ俳句を
説明を加えながら最後の歌を歌いました




五月雨の 降り残してや 光堂

(あたりの建物が、雨風で朽ちて行く中で、光堂(金色堂)だけが
今日も昔のまま輝いている。まるで光堂にだけは五月雨も降り残している
ようなことではないか)





卯の花に 兼房みゆる 白髪かな

(夏草に混じって咲いている白い卯の花を見ていると
兼房が白髪を振り乱して敵に向かう姿が浮かんでくることよ)

注)....勇敢に戦った兼房は義経や藤原一家の最期を見届けた後
そのあとも敵と戦いながら火の中に消えて行ったと伝えられている






夏草や 兵(つわもの)どもが 夢のあと

(ひとけの無い所に、今はただ夏草だけが生い茂っているばかりだが
ここはかつて義経や藤原一家の者たちが功名と栄華を夢みた所である。
知るや知らずや、この夏草を眺めていると全てが一炊の夢と消えた哀れさに
心が誘われる





芭蕉は「五月雨(さみだれ)」という季語をよく好み
使用していたようです。
この俳句を詠んだのは1689年5月(現在の6月)にあたります。

私が育った地元の町で作ったこれら3つの俳句は
諸行無常が優しく突き刺さる臨場感に取り巻かれる...。

この俳句を詠んだ芭蕉はそこに座り泣いたのだという。




私の新曲である「北の血に」は震災へ寄せた作品。
それをどうして芭蕉の俳句と強く掛け合わせたかというと

五月雨の降り残してや光堂  を想うとき


長年の雨が多くのものを朽ち果てさせ壊して行ったが
光堂だけはそのまま残していった

その連想から

震災で多くの命や町が消えて行った
しかしその亡くなられた方々が残していってくれた
素晴らしい想いや、今鼓動しているだろう私たちの命は
今も金色(こんじき)のように輝いている



そう表現を私なりにだが捉えて曲を作らさせて頂いた

練習時
歌っているとやはり涙がはらはらと落ちることがある


それは古来からある日本人としてのDNAと
今、日本にいる自分がすべきことが交わる瞬間が
とても色濃く感じる瞬間だ



そして色々なご縁より
また書道を始めることにした
(詳しくは後日にまた綴ります)

次回からのコンサートでは
書道でみなさまを、おもてなしすることを考えております。

お楽しみにして下さい。










































































































今回のコンサートでは一部のお客様の私語が
周りのお客様への思いやりに欠けてしまい
コンサート後も数件、苦情を頂きました。

たしかに、シャンソニエやJAZZBAR
私語をしてもよい瞬間、空気の時がございます。
それはヨーロッパに限らず
どこの国に於いても、です。

しかしながら、昨日のものは
「コンサート」であります。

「聴く、感じる、を楽しむ」ための時間ですので
私語はやはりご遠慮願いたいこと
もしくは短く小さな声で...して頂きたく思います。

それが全体への、周りのお客様への
演奏者への...エチケットだと 思うからです。

こういうことは初めてではございませんが
やはり「苦情」が出てしまうコンサート
いくら質の良いコンサートを御届けしたくとも
一部の方々の私語で他のお客様が後味悪い気持になられてしまうからです。

どうぞ今一度、ご確認下さいましたら幸いでございます。





初めての場所でのコンサート
すっかり写真を撮り忘れてしまいました。

ご来場下さいました方々より
Facebookにて載せられた御写真を御借りいたしましたので
ご覧になられて下さいませ。
(chikakoさん、愁平くんメルシーです^^)






次回のコンサートは来年5月からのツアーになります。
どうぞお楽しみになさって下さい!

今後もご声援を宜しくお願い申し上げます。





こころをこめて...