2016年3月5日土曜日

娘に薔薇をプレゼントするとき





























私は帰り道に
普段は選ばない、ピンクのバラを選んでいた

それは娘をイメージした雰囲気を想い描いていた


お花や草木を鑑賞する時
選ぶ時
誰かをイメージする時

なんと心が温かく
安らかに
楽しくなるのだろうと、いつも思う



そんな心持ちでお会計に並んでいたら

突然後ろから、張りのある元気な声で

「ねえ!あなた!」

と肩に柔らかく手を置かれ、誰かに呼ばれた。


驚き振り向くと

「あなた!とても素敵なコートね!お似合いです!

 あなたが編んだの?」



と娘さまで在ろう方に腕を助けられながら
立たれている歳を重ねたマダムがいた

私はとっさに

「はい、手編みのコートです。
 でも私が編んだのではありませんが...」

とお答えした


そうしたらそのマダムは

「私ね、あなたの後ろ姿を観て
 何段編み...4段、5段編みかしら?ってずっと観ていたのよ
 本当に、お似合いよ。」


身体はもう強くなくおぼついておられたマダムだったが
声は芯があり滑舌が若者と同じだった



お花屋さんの店員さんも
私もニコニコしてそのマダムと娘さんを見送った



玄関用と娘用のピンクのバラを大切に持ちながら
思い出した

もう10年以上前
パリの古着屋で見つけた新品同様の
銀色の小さなボタンがひっそりと着いた、真白な毛糸のコートだった


当時、掘り出し物!と喜びながら


「一体、誰がこの素敵なコートを編んだのだろう? 」と
考えていたことを思い出した




何度かメンテナンスをしては今でも着ている

真白だから、どうしても冬の終わりには...
ほんのりグリ(グレー)になってしまうけど。
 (昨年は裏地も全て新しいものに換えた)




























素敵と思うひとを
素敵と感じるものを
素敵な何かを

見知らぬ人に

素敵!と伝えれる人は

その人こそ素敵なのだと改めて感じた



パリにいた時はよく褒められた
そして私もよく褒めていた

見知らぬ人にも、素敵だと思ったら....

(日本だと慣れていないと気持ち悪く思われるか変な人?に
思われることも多々かも...笑 でも文化の違いもそれぞれ美しい)




お花屋さんで出逢ったお年を召したマダムは
素敵なプレゼントを下さった


それは何歳になっても

「素直」という美しさだ































(ネイルサロン Splendideのはなえさんに頂いた
とても可愛い雛あられ...^^ 有難うございます☆ )










そして娘と猫と日本に来てから...もうすぐ3年が経つ

やっと最近
あの大好きだった16区のアパルトマンにはもう帰れないのだな
普通にあの駅で降りて、あの家へ行っても誰かが住んでいるのだな

もう私の場所ではなくなったのだ....と



良くも悪くも認識をやっとし始めた

多分それは
少しずつ日本で生きている現実を
感じ掴み始めたからだろう


雛あられを美味しそうに頬張る娘をみながら
彼女の国籍をどうするか

...どう私が今後行動してゆくか


考えていた


時は経っていく



されど

元気にいてくれることだけで有難い