シャンデリアを知らなかった
先日、ピアノの師匠のレンギエル先生と
メキシコ産まれのサクソフォニスト(サックス奏者)の演奏会があった
私は裏方でビデオ撮影をしていた
フと気づいた
....シャンデリアがある.....
この音楽院に10年ほど在学していた
そのホールでも演奏をしたり
オーディションや資格をとるために
何度もピアノを弾いていたのに
10年以上経ってから
このホールに古い美しいシャンデリアがあることに気がついた
きっと私は
ずっと駆け抜けてきた
ピアノの鍵盤と、ピアノの向こう側に見えるセーヌ川しか
視界に入れなかった
シャンデリアがあると知った瞬間
そのときに
やっと本当に音楽と向かい合ってきた自分を認めた
自分に厳しいと思うし、周りにもそう言われがちだけど
それで、良かったのだと思った
ただ
なんとなく
そのシャンデリアがどこか優しく
見えない所から長い間、自分を見守ってくれたのだなと
柔らかい気持ちになった
不思議な時間だったのだ